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    しばらくして、女がまたこう云った。

    「死んだら、埋めて下さい。大きな真珠貝で穴を掘って。
    そうして天から落ちて来る星の破片を墓標に置いて下さい。
    そうして墓の傍に待っていて下さい。
    また逢いに来ますから」

    夢一夜3

    自分は、いつ逢いに来るかねと聞いた。

    「日が出るでしょう。それから日が沈むでしょう。
    それからまた出るでしょう、そうしてまた沈むでしょう。

    ――赤い日が東から西へ、東から西へと落ちて行くうちに、――

    あなた、待っていられますか」

    自分は黙って首肯いた。

    女は静かな調子を一段張り上げて、
    「百年待っていて下さい」と思い切った声で云った。

    「百年、私の墓の傍に坐って待っていて下さい。
    きっと逢いに来ますから」





    夏目漱石『夢十夜』
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