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    自分は苔の上に坐った。
    これから百年の間こうして待っているんだなと考えながら、
    腕組をして、丸い墓石を眺めていた。

    そのうちに、女の云った通り日が東から出た。
    大きな赤い日であった。
    それがまた女の云った通り、やがて西へ落ちた。
    赤いまんまでのっと落ちて行った。

    一つと自分は勘定した。


    夢一夜5-1


    しばらくするとまた唐紅の天道がのそりと上って来た。
    そうして黙って沈んでしまった。
    二つとまた勘定した。

    自分はこう云う風に一つ二つと勘定して行くうちに、
    赤い日をいくつ見たか分らない。
    勘定しても、勘定しても、
    しつくせないほど赤い日が頭の上を通り越して行った。

    それでも百年がまだ来ない。

    しまいには、苔の生えた丸い石を眺めて、
    自分は女に欺されたのではなかろうかと思い出した。

    夢一夜5-2



    夏目漱石『夢十夜』
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